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【第十二章】 谷選手との九年間
  摩=摩季先生 イ=インタビュアー
  摩季れい子インタビュー
摩: 彼が毎日のように来るんですよ。(苦笑)
通常の仕事だけでも忙しかったのですが、彼も研修生をしていたゴルフ場から
六甲山を越えて車で一時間かけて西宮校まで来るので、
彼の情熱に押されてついつい約束してしまい、当時は育英高校の球児たちも
診ていましたから、夜の23時以降から彼のスイングチェックをすることも。
彼が理解できるようになるまで5〜6年続きましたね(笑)
イ: 5〜6年!それは摩季先生もすごい情熱ですね。
摩: 彼は自分のゴルフ人生をすべて私にかけていましたから、
私が途中で止めてしまえば、谷はゴルファーとしては
終わってしまう。

でも長年、体に浸み込んだクセや感覚を180度変える
ことは至難の業なんですね。
そういえば谷も、
『先生、スイング改造は、十年はかかりますから途中で見捨てないで下さいよ』って、何度も言ってましたね。

うまくいかなかった時期というのは私が見ていても辛かったです。 人から『谷は終わった』と言われるわけ。
ゴルフの経験のない女性を師匠にして、バッシングを受ける。
女性のコーチが男子プロを見ることもおそらく前例の少ない
ことだったでしょうから。
摩季れい子インタビュー
  でもそんな時にでも彼は言いました。『摩季先生、堂々とトーナメントに来てください』と。

彼がその年、プロテストに合格して、次の年からトーナメント会場に帯同コーチとして
私が入っていくと、『お母さんが来られたの?』と言われる。
でも谷はみんなに『師匠の先生です』と紹介していく。
練習ラウンド入りしてスイングチェックをする。
そうすると、みんなだんだん分かってくれるようになっていったんです。
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