野球選手科の7名の選手の調整と指導
昼からのメディカルトレーナー科の授業を終了後、野球選手科7名の調整に入る。
故障を抱えている選手や、今ひとつ調子が上がらない選手への指導、あるいは今成長してきている選手がさらにレベルを向上させるための指導と、それぞれの指導ポイントは違う。
最近はスケジュールが詰まっていたため、なかなかインドア練習のチェックに入れずにいたのだが、今日は久しぶりに大阪のベースボールジムで体のケアとフォーム指導に入ることにした。
まず、肩の痛みを訴える坂田。
筋肉の状態を見ると非常に硬い。特に下半身が硬く、これでは捕球から送球時に下半身を十分に使うことができない。キャッチャーというポジションゆえにかなり下半身や腰には負担がかかる。それだけに常に下半身のセルフケアと食事の管理が重要であることを本人に伝える。
彼の筋肉の診断とケアは、野球をはじめとするスポーツ全般の指導とケアを目指すメディカルサイエンス学科のT整形外科医師に依頼。突然であったため、事前の打ち合わせなしの実践とあって、少々戸惑った様子のT医師であったが、しっかり判定をしてマッスルセラピーとパートナーズストレッチ、そしてミクリツ線チェックに入る。
その結果、相当の筋疲労と判断された様子。しっかりケアをやるようにとアドバイス。
念のためT医師の病院でレントゲン検査と腰部診断を受けるように勧め、来週スクリーニングに入ることとする。
次に海老原。
この選手もキャッチャーである。症状は坂田と同様、下半身が非常に硬く、膝のコントロールにリスクが表れている。
しっかり下半身のケアをする担当の藤田トレーナー。
かなり外側の筋肉が疲労し、膝蓋骨が外側へぶれる。機能軸からずれ気味になることによって、動きの中で膝蓋大腿関節間のずれを招き、炎症が起こったと判断。
膝蓋骨をコントロールする大腿四頭筋と大腿外側筋(ハムストリング筋)を調整し、リセットトレーニングでアライメントを正す。そうすることでスクリューホームムーブメントがスムーズになり、痛みも軽減。その後にスクワットの方向を正し、下半身トレーニング全般の見直しを指示する。
山内選手。
足関節捻挫の調整。反復回数6回。かなり内反方向にルーズさが表れている。
セカンドやショートを守る俊敏性の優れたガッツのある選手。
足関節と下腿部の外傷性疾患の発生頻度が高い。
外側筋の強度が弱化している。何とか外側筋を強化する必要があるが、実際には痛みがあり外側方向へのトレーニングは実践できないのが今の機能状態。
どの靭帯が一番緩んでいるのか機能を見る。真横に足首を捻挫するパターンが多い山内。ショパール関節部の構成にずれが生まれているのか、背屈位での体重圧迫はかなりつらいという。テーピングの位置を示すチェック法で二分靭帯の損傷がかなり感じられるため、その部位を固定すると、すぐさま腓骨筋トレーニングの実践と背屈動作がOK。
この調整の様子を見ていた柔道整復師のO氏も、その効果に驚きを隠せない。
「すごいですね、先生。どうしてこの部位だと分かったのですか?」との質問。
その判断基準を医師と柔道整復師に説明、そして納得。機能を診るシステムは治療指針に非常に役立つからだ。
山内も調整後、足関節の軽快さに、「先生、今からバッティングでもできそうです」と。
着地足で痛みを訴えていたのに、今はもう走れそうな勢いで語る山内。
次に井本。
ハムストリング筋と内転筋の単純な疲労と判断。
最近投球フォームの改善を行っていることで、軸足で今までと違った筋肉を使い出したためだ。いい方向へ進んでいる証である。井本もその説明に「ハイ、頑張ります」と応えた。
続いて宮嶋と岡田、今野のピッチングである。
この3名の課題はフォームの確立である。
秋から本格的にフォーム指導に入っている選手達だ。課題は沢山あるが、伸びる要素を多く秘めた選手達である。
宮嶋。
軸足も安定し、ケリ足との間で体重をしっかり支えることができるようになってきた。それは体を回転させる基本動作である。
本人に次の課題を伝える。左半身の回転により、右半身、腕を前に出す動きを指導。その変化に本人も驚き、「ボールが速く行きそうです」と目を輝かせた。手応えのあるシャドーに大きな期待を持った宮嶋である。
岡田も最近安定度が高まってきた選手である。
体が先に前につんのめる従来のフォームから下半身の上で腰を回し上体を回転させ腕を振る。
今日はボールを離すリリースポイントを作る腕振りと肘から手指の使い方を指導。
今の肘から手指の使い方では球速へのロスが出る。肘下が上手く使えていない。その点を指導する。
リリースを迎える前の肘の位置は変化球での使い方と同じにすることを指導。そうすることでスライダーが可能になることを指摘。本人も今までと全く違う変化するボールへの期待でトライする。もくもくとフォームを確立する。
今野。
しばらく肩に違和感があり、ノースローイングを続けてきた選手。
最近はフォームも安定し、バッティングピッチャーを行うレベルにまで回復している。
今日はそのレベルを見る。肩の腱板チェックと上半身のケアをメディカルサイエンス科のKトレーナーにまかせる。そのすばやい対応に見学していた野球トレーナー科の学生も将来自分達が対応すべき役割を垣間見ることができ、感動した様子であった。
そして最後にフォーム指導。
サイドからクォーターへチェンジしてボールがかなり走るようになったと喜ぶ今野。
彼にも次の課題を与える。もっとすばやく体の回転をする方法として左半身と左上半身の使い方、右腰、右肘とのリズムを指導。この選手も日々成長している努力家の選手である。
投稿者 kanrisya|2008年11月29日 19:47 |トラックバック (0)| 日記投稿数 721|
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