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ブログ再開 <韓国からの留学生 徐君>

摩季のトレーナー日記はブログを通じて、トレーナーを目指す方、今トレーナーとして活躍している方、またトレーナーってどんな働きをしているのだろうかと興味をもっておられる方へ、少しでもお役に立てればと書き続けてきたものです。
2007年のプロ野球選手のスプリングキャンプの帯同での取り組みについて記してから暫くお休みしていたことをお詫びします。
これからまた、摩季のトレーナー日記を復活させますので、興味のある方は是非ご一読下さい。

4月、韓国から野球選手がやってきた。名前は徐珖潤君。韓民大学を卒業してすぐに関メディの野球選手科へ入学してきたのである。

2月下旬、プロ野球選手として初キャンプに参加していた松本幸大に私が帯同した際、同時期に鹿児島で行なわれた韓国選抜チームと鹿児島のクラブチームの対戦を観戦して、コントロールに難はあったが、直球の伸びと速球能力を持つピッチャー徐君のパワーを評価し、自らスカウトしたのだ。そのスカウトに気持ちよく応じてくれた徐君は、私の学院に入学することを決意し、4月9日、韓国スポーツ交流協会選抜チームの監督である崔さんと通訳の白さんとともに大きなスーツケースを持ってやってきたのである。徐君の表情は少々緊張ぎみ。期待と不安を抱いていることがうかがえる。
大阪本校で挨拶を終え、その日は夕食会。この日を私も学院の理事長も楽しみにし、毎日仕事を終えた後や、移動の車の中でハングル語の勉強に取り組んできたが、いざ本番となるとなかなか言葉が出ない。「アンニョンハセヨ(はじめまして)」「チョンペケスニミダ(お会いできて嬉しいです)」がやっとであった。
「鹿児島で先生が見られた試合で登板したピッチャーが他に3人いたのに、どうして僕が選ばれたのですか」と徐君からの質問。
「そうだね。他のピッチャーもとても良かったよ。中でも君は1球すごいボールをなげたんだよ。そのボールの威力は素晴らしいし、可能性は大と判断したんだよ。ただ、せっかく素晴らしい体があるのに、その体をピッチングではほとんど使っていない。腕の力で投げている君に体の使い方を指導し、バランス良いフォームに改造してあげることでもっとコントロールが安定したり、持ち味の変化球により切れが出ると判断したからだよ」と答えると「ハイ。頑張ります」と素直に頭を下げた。1ヶ月前のことだが、昨日のことのように思い出す。
次の日から身体機能やメディカルチェックを済ませ、野球選手科での練習、そしてパーソナルコンディショニング。徐君のための科学的トレーニングが組み立てられ、野球トレーニングに毎日励むことになった。
慣れない日本での生活、ましてや寮での独り暮らし。言葉が殆ど通じない。そんな中でのスタートである。
私も徐君の投球フォーム改造に必要な身体のコアバランス力トレーニング(腹筋・背筋3Dトレーニング)と脚力(蹴り足・軸足)の野球Fトレーニングを指導。体のエネルギーを肩・腕・肘・手指に伝えやすくする投球腕(ピッチングアーム)トレーニングの指導を、授業を担当する日とゴルファーの帯同で出張している日を除いてほぼ連日グラウンド・ブルペン・インドアで取り組んだ1ヶ月。

少しずつ仲間ともコミュニケーションが図れ、一人生活にも慣れ、野球選手科での生活にも慣れはじめた5月8日、初公式戦が九州大会である。徐君が先発ピッチャーとして堂々と投げる。私もダッグアウトに入り、徐君のピッチングを見守る。
相手は九州総合スポーツカレッジ。まだまだフォーム改造したばかりで自分のリズムが持てない徐君だが、何とか9イニングを力投した。毎回徐君は自分の課題を確認する。
「徐君、試合中だからフォームのことを考えず、自分のリズムを掴んで投げなさい」
「自分のリズムが出ないです。自分のリズムがわからない」と戸惑いながらも力投した徐君。
通訳がいないため、私も片言のハングル語で何とか考えを伝える。前半の徐君はボールが高く、浮き球になりながらも、ここぞというところで得意の変化球とストレートでストライクを取る。相手チームも徐君のボールコントロールにてこずっていた。
「徐君、この試合は日本でのスタート。これからまだまだ選手科の仲間と試合経験が積めるよ」と、リラックスして自分のピッチングリズムをつくることを常に訴えたのである。11回でピッチャー交代し、延長12回3対2で惜しくも負けた。

●頑張る野球選手科の選手
野球選手科の野手達も一生懸命プレーし、感動するシーンがいくつもあった。
ショートとして活躍している石井選手は本来ピッチャーなのだ。野手が不足しているため、この4月からショートにスイッチし、練習に励んでくれている。
サードの長谷川もこの4月に入学したピッチャーだ。ファースト山本もピッチャーなのだ。
なんと、内野手はセカンドを除いて全員がピッチャー。それも4月に構成されたチーム。皆一心にプレーしてくれている。慣れないポジションなのに、互いに助け合い、気合を入れ合い、ピッチャー徐との連係を取り合い、盛り上げた試合である。レフトもこの4月入学してきた水野だ。なんと新メンバー、新ポジションが5名と、4月に結束してすぐにこの大会である。
元来、2年生で期待できるピッチャー石田、青木、河野は肘、肩、股関節の故障を持ち、河野は留守。石田と青木は投げたい気持ちを胸に、九州大会に参戦している。試合に出場できぬ悔しさをバネに、是非次回開催されるクラブ選手権、都市対抗で活躍出来る様、体育リハビリトレーニング、リ・コンディショニングに励んでほしい。
4月結成したチームだけに、試合の前半は全体的にリズムに乗れなかったが、徐君の好ピッチングと仲間のファインプレーに支えてもらいながらバッティングリズムが冴え始め、いい攻撃リズムも生まれていた。野球は9人とベンチで作られ、戦うスポーツ。ベンチと選手が一体となって戦った試合だった。

投稿者 kanrisya|2007年05月08日 20:57 |トラックバック (0)| 日記投稿数 406|

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