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肩脱臼と足の突き指をした二人の野球選手

今日、野球選手科の2名の学生が大阪校に来る。
肩を脱臼している選手と、捕球時にフェンスにぶつかり
足の親指が打撲とつき指で使えない選手。
地下のコンディショニングルームで調整する。
肩脱臼は入学してから2回目。症状は前と同じだが、
選手の精神的ショックは隠せない。
レントゲンを見ると肩甲骨がかなり上方に入ってしまっていた。
ドクターは骨の組織を診る立場、トレーナーは
その時の筋肉状態によって肩の場合、肩甲骨や鎖骨、
上肢骨の位置関係を診る。
そして、その状態の機能情報を選手を介して、
トレーナーと医師が連携することが望まれる。

私はトレーナーとして、再発させないための運動プログラムを実践する時、
脱臼時に骨連携機能の位置は大切だと考えている。
その連携の不具合は筋肉のバランス(インナー・アウター)と関節の連携のリズムを
くずす要因として重要である。スポーツでの動き、特に捕球や送球時の動きの
リズムの乱れが肩甲骨から上腕骨にズレを生じさせる。
そのカバー筋として、インナー筋とアウター筋をトレーニングしているが、
動くボールに対しての捕球時はプレーヤーの気持ちの集中が常に必要となる。

肩を守るために足を使い、身体の前で肘を屈曲し肩外筋とインナー筋を協働させ、
捕球しなければならない。彼は都市対抗前に脱臼し、3週間目で復帰したが、
常にテーピングをしてのプレーであった。
選手権も終わり、トレーニング期に入った矢先の再発、
選手もその事態に愕然とするのも当然である。
だが、焦らず、事実を理解し、このまま選手としてもう一度復活させたいと考える
トレーナーと医師、本人、ご家族の方との話で手術か、保存か、選択されるであろう。

彼は大学時代に一度縫合手術は経験しているのであるが、やはり今は
そのリスクを持ちながらプレーのレベルに応じた対応が求められる時期が
来たと考える。本人の復活への意欲は高い。
それだけ、彼は神経反応もよく、まだまだこれから野球人生に挑戦できる選手
だと思うので、是非今のアクシデントをのり越えて欲しい。

本人も
「僕は先生のもとで復活したいので、オペ後のリハビリ、宜しくお願いします」と頭を下げた。
「うん、わかった。オペしても先生がいるから安心しなさい」という言葉に
ホッと笑顔がみられた。
顔に希望が輝いていた。今日はオペまでの筋力アップと体力づくりの必要性を伝え、
共に頑張ることの意思確認をした。

次は突き指をした選手の調整だ。突き指をした時に発生したと思われる
他の組織への機能リスクをチェックする。
足関節の背屈が出来ず、足関節回外状態、膝関節内反状態。昨日が受傷日。
急性期は過ぎたかのように熱感はない。腫れも少ない。
ただ、運動制限がかなりひどい。

そこで私の調整法は、股関節・膝関節からの調整、アライメントを正しくし、
歩くときに指節部へのストレスをかけないようにしてファンクショナルテーピングを行う。
外部をひとつひとつ調整すると、自然に母指も足関節も動いてきた。
選手の顔が喜びの顔へと変わる。
「ちょっと歩いてごらん」
「先生これならずいぶん歩けます」
今まで骨折しているかも、と恐れていた部位が機能調整でウォーキングが出来た。
「全然、歩けます。有難うございました」
それを3名の学生が見学。

「先生、凄いですね」
「どうして母指なのに、膝や足首の調整なのですか?」
「受傷したことは、もう仕方がないことなのよ。それに対する対応はもう医師が
 実践されているから、トレーナーが今やる事は、この状態で歩き易くしてあげること。
 それが結果的に患部を守ることにもつながるの。今、患部を触れるのはドクターだけ。
 患部外はメディカルトレーナーなら調整できるのよ」
「すごい!感動しました。自分達がこんな凄いことに関われるなんて」
「痛みがある場所へ負担をかけないようにするには、どうすればいいのかを
 考えてあげる人がメディカルトレーナーでもあるのよ。
 急性期を過ぎると積極的に運動訓練をすることが必要よ。でもその間少しずつ、
 組織が弱らないように出来ることを増やすことが大切なの。
 そうすれば彼は野球の復活が断然、早くなるのよ。明日は椅子に座って投球をさせるの」
「へえ、そんな方法もあるんですね。僕はケガが治るまで、ピッチャーは
出来ないと思っていました。」と選手。
「先生にまかせなさい!」

メディカルトレーナーの役割は、故障の予防や復活をサポートする。
その関わりは、受傷直後から始まるのである。

投稿者 kanrisya|2006年07月04日 22:29 |トラックバック (0)| 日記投稿数 406|

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